ざりがに

夏が終わって

夜少し涼しくなると、すっと心に隙ができて
昔のことなど思い出したり、亡くなったばあ(祖母)のことを思い出したり。


ばあが亡くなって少し経って、

実家にある、ばあの部屋に入ったときのことを思い出しました。

私は「ばあ」と声をかけて、やっぱり返事はないなと思って

ぼーっと部屋を眺めていました。


ばあの前では、いい大人の自分も、

どうあっても、いつも幼いはな垂れ小娘でした。

しゃがんでもう一回「ばあー」と子供っぽく呼んでも

その言葉は、

部屋の隅に吸い込まれていきました。

まだ、着ていた服もあるし、メガネや、書いた文字もある、足音の特徴も

覚えている。

「だっぴでもしたんか」

はな垂れ小娘は思いました。

「服も、文字も、
全部、脱ぎ捨てて、だっぴしたんや

あれや、ざりがにとかヘビとかがするあれや!」

と、わざわざ子供っぽく思ってみたけれど、

別に脱皮であろうが、なかろうが、

どっちでもいいことで。

それよりもう一回くらいぽろっと

何かのはずみで会えたりしないかとか

漫画の世界のようなことも思ってみたり。


人の生き死には、どう意気込んでも掴みようもない

ことで、

ただ、会いたい人にもう会えないということは

本当に寂しい

ということです。


余談ですが、小さい頃は、

母親の「あんたたちはショートカットがよく似合う」
という謎な言葉のもと、

私と妹は和田アキ子のようなショートカットでした。



和田アキ子Aと和田アキ子Bとザリガニの風景。







 

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